2011年には三陸沖、2016年には熊本、今年は大阪、北海道で大きな地震が起こりました。ここにあげた地震以外にも日本各地で地震が起こっています。
もしも地震などの災害が起きた時、猫たちの行動はどのように変化するのでしょうか?また、わたしたちは猫を落ち着かせるためにどのように対処すればよいのでしょうか?
Contents
地震の際に、猫が起こす8つの行動
動物は、人が揺れを感じる前に地震が来ることを感じ取りいつもと違う行動を起こすことがあります。地震の際に猫が起こす行動は「地震の前」「地震の最中「地震の後」」によって少し異なります。
鳴き続ける
地震が来る前に、ずっと鳴き続けるという異常行動が報告されています。人にとっては何も変わりがない状態で急に鳴きだし、落ち着きがなくなるなどがこれに当てはまります。おびえるようなそぶりを同時にしていたり、歩き回りながら鳴き続けている場合は注意してください。
隠れる
地震が来る前に隠れてしまうことがあります。普段から隠れることの多い猫の場合はわかりにくいですが、ベッドの下や押し入れやクローゼットの中、押入れの天袋や家具の上などの高い場所にあがるなど分かりにくい場所に隠れます。
体の一部をぴくぴくさせる
身体の一部が軽くピクピク動き、背中の毛が逆立ったように見える場合があります。何らかの異変を察知した緊張から起こる現象です。
何もない空間を見つめる、何もないのに追うように見る
瞳孔が開いた状態で一点を見つめるような行動をしたり、空中を飛んでいる虫を目で追うような行動をすることがあります。目で追うだけでなく、何かをくわえようと空中を飛ぶような行動も同時に起こるかもしれません。
飼い主を攻撃する
猫を抱っこしたり、なでている最中に急に態度が変わり暴れたり、噛んだりする場合があります。人が感じない段階で地震を予知し、落ち着きをなくしてしまったり、パニック気味になり起こす行動です。飼い主さまは驚くと思いますが、大声をあげたりすると更にパニックがひどくなるので注意です。
逃げる
地震が起こった際に起こりやすい行動で、扉や窓などをこじ開けようとしたり、万が一開いている場合は飛び出してしまうかもしれません。猫は、危険を察知すると逃げようとする傾向がありますので、地震の時には扉・窓には注意してください。
パニック
地震が来る前、地震が起きた時にも起こる可能性がある行動です。猫のパニックはカーテンを駆けのぼる、床の上を飛び跳ねてあちらこちらに激しくぶつかるなど手が付けられない状態になることもあります。口を開いたままハアハアしている、よだれが止まらない、瞳孔が開いたままなどの異常も起こります。
大きな音や揺れを怖がる
地震の後に、地震で体験した大きな音や揺れに似たような状況になると異常に怖がるという状態が起こる可能性があります。花火や車が走る大きな音や揺れでパニックになったり挙動不審が起こる可能性があります。
猫と暮らしている場合、災害時に気をつける事
地震が起きた時に猫は逃げようとしたり、パニック状態に陥ったりします。家の外に逃げてしまった場合は、行方不明になることも少なくありません。パニックに陥って暴れてしまうと大けがをします。
災害が起きてしまった場合は飼い主もあわててしまいますので、とっさにどのような行動をとればよいのかわからなくなることもあります。
災害に対する備えは色々ありますが、今回は、家の中で気をつけることについて解説します。
扉は閉めておく
猫は危機を感じると逃げたり隠れたりします。部屋の扉だけでなく、棚、押入れ、クローゼットの扉は必ず閉めておくようにし、逃げたり隠れたりできないようにしましょう。特に、お風呂の扉は必ず閉めてください。水のたまった浴槽に落ちてしまうと溺れてしまうかもしれませんし、水が溜まっていなくてもバスタブの中に落ちてしまい出られなくなることもあります。
網戸の網は丈夫にし、外れないようにする
網戸を破ったり、体当たりして外れてしまうと逃げてしまいます。特に、網戸にしておくことの多い夏は注意する必要があります。網戸の網にはステンレスなどの金属製のものもありますし、通常の網戸より丈夫な素材もあります。また、網戸自体を窓枠から外れにくいようにすることもできるようです。詳しくは、建具屋さんなどにお尋ねください。
キャリーや洗濯ネットの準備
猫は、狭い場所で何かにくるまれていると安心する傾向があります。いつでもキャリー・バスタオル・洗濯ネットは取り出せる場所に置き、いざというときに活用しましょう。詳しくは、「災害時に猫を落ち着かせるために出来る事」で解説します。
災害時に猫を落ち着かせるために出来る事
災害時には人だけではなく、猫も不安で落ち着きをなくしてしまい異常行動が起こったり、食欲不振、嘔吐という体調面での問題が起こることがあります。不安がっている猫たちを落ち着かせるためにできることを解説します。
タオルなどでくるむ
猫は、何かに触れていたりくるまっていると安心します。お気に入りのバスタオルやフリースなどがあればそっとくるんで軽く抱っこしましょう。猫によりますが、頭まですっぽりかぶせるほうが安心する猫もいます。
キャリーに入れて薄暗くする
キャリーに入ると四方が囲まれ隠れた状態になり安心します。キャリーをタオルなどで覆うとさらに安心感が増す猫もいます。中には、周りが見えないと不安がる猫もいますので、様子を見ながら行ってください。
洗濯ネットに入れる
洗濯ネットは、隠れることができるので安心感を与えるために使う場合もあります。また、逃走防止もできます。抱きかかえるときにタオルなどでくるむこともできますが、するっと抜け出てしまうこともあります。洗濯ネットに入ってもらうことで抱きかかえるときにも飛び降りてしまったり、腕から抜け出してしまうことを防止することができます。
まとめ
災害が起きる前に動物は気づき異常行動を起こすといわれています。
地震などの災害が起きる前には、「鳴く」「隠れようとする」「体をピクピクさせる」「攻撃的になる」などの行動が起こりやすいです。
実際に起きた時には「逃げる」「パニック」などが見られます。災害の後にはPTSDのように音や揺れなどの原因が地震ではなくても、パニック状態や挙動不審になることもあります。災害が起こると私たちもパニックになり、どんなに気をつけていても気づいたら猫が行方不明で分からないということが起きるかもしれません。
逃げてしまわない工夫は本文中に記載しましたが、ほかに首輪に名札をつける、マイクロチップを打ち登録しておくなど行方不明になったとしても身元が分かるようにしておくことも大切です。